多摩美術大学の学生が制作した自主制作アニメ「想い雲」が泣けると海外で話題に
多摩美術大学のグラフィックデザイン学科の学生である『中舎 康平』さんが卒業制作として作成した自主制作短編アニメ『想い雲』がめちゃくちゃ泣けると海外の掲示板で話題となっていた、掲示板では「クソほど泣いた」「友達が欲しくなった」「言葉がなくても通じることができた」と賞賛するコメントが多く寄せられておりその完成度の高さをうかがい知ることができる。
なお、この作品は音楽と絵のみで制作されており台詞は一切ない、故に登場人物の表情や場面などから吸収する部分がかなり多く、本来台詞で理解すべき部分は自分の脳内で補完することになるのだが、恐らくこの部分がこの作品の良いところで、観ているうちに二人の少女の説明されていない部分まで「こんな子なんじゃないかな」「こう言いたいんじゃないかな」と考えて自然と感情移入してしまった。
近年、台詞ない漫画「サイレント漫画」が注目されつつあるが、アニメにおいてもこの手法は海外の評価を得る為の良いアプローチになるのではないかと感じた。
アニメや漫画の登場人物は自分の分身であり代弁者だ、他人によって充てがわれた『台詞』によってわざわざ線引するより読み手に作品を委ねるというのも一つの表現方法ではないかと僕は思う。
作者のコメント(ストーリー)
喧嘩をして仲違いをした二人の少女が、雲を介して互いの心情を察し合い、それぞれが想いを実行に移して仲直りを果たすアニメーション作品。仲違いする二人の少女は、価値観の異なる自己と他者(敷衍すれば個人と社会)の関係の象徴として、また、両者の間に介在して、ふたりの仲を取り持つ雲は、僕自身にとっての絵が持つ役割の比喩として表現します。音楽:Claude Debussy“Clair de lune”演奏:日向萌
(引用元:多摩美術大学)
作品に対する先生のコメント
メジャーなものと正面から向き合い、奇をてらうことなく正攻法で作品を作ることほど難しいことはない。しかし本作品は誰しも経験したことがあろう友情の物語を正面から捉え、見事な脚本力・作画力・演出力で描ききった傑作である。6分足らずの時間の中に、怒り、悲しみ、(小さな)笑い、喜びが満ち溢れ感情を揺さぶり続ける。雲を介在させた象徴的表現もアニメーションならではの表現特性をとても有効に使っている。ぱっと見、商業的なスタイル(という言い方がいいかどうかわからないが)をとりながら、確信的に自分の作風を確立した作者の芯の強さ、揺るぎなさに敬服する。はじめて制作途中のビデオコンテを見て以来、泣かされ続けた本作の完成には奇跡的な感動があった。涙!
(引用元:多摩美術大学)